福岡の学校給食は、玄界灘の海の幸、内陸の野菜、盛んな畜産を活かし、地域の豊かな食文化と新鮮な食材を取り入れ、子どもたちに地元の味を楽しんでもらっています。福岡の地元でとれた新鮮な野菜や魚を使い、伝統的な料理を取り入れることで、子どもたちは健康的な食生活を学びながら、地域への愛着も育んでいるのです。今回はその一例を紹介しましょう。
福岡の給食で提供される地元の味
福岡の給食では様々な郷土料理が出てきます。まず儀助煮は、博多の商人である宮野儀助が考案した、だいずと煮干しに小麦粉をまぶし、油で揚げて作られる料理です。栄養が豊富な大豆や小魚を一緒に食べられるメリットがあります。がめ煮は九州で有名な福岡の郷土料理で給食でもよく出されます。全国的には筑前煮の名前で給食に出てきますが、福岡では地元の言い方にならってがめ煮の名前で食べられているのが特徴です。最後に水炊きも福岡の給食で出てくることの多い料理です。一見給食にするのが難しいようなイメージもありますが、具だくさんのスープのような形で供されています。このように福岡ではアレンジを加えながら郷土料理を給食で出し、子供たちは地元の味を楽しんでいるのです。
学校給食で地産地消
地産地消という言葉があります。これは、地元の食材を使って地元で消費するという活動で、二酸化炭素削減の一環として外食産業や社会的な動きとして活発化しています。もちろん学校給食にも地産地消の概念が取り入れられており、積極的な導入が進んでいます。これによって輸送にかかる二酸化炭素の排出量の抑制とエネルギーやコストの削減といった目的も達成できます。
学校給食における地産地消の食材活用は50%を超える
令和3年度の調査では地産地消の学校給食食材活用は金額ベースで56%となっています。もちろん地域によって異なりますが、実はかなりのペースで地産地消の動きが盛んなのが特徴です。事例としては、群馬で地元のしょうゆを使ったり、千葉で生産量多いニンジンやサツマイモの積極利用をしたりといったものが挙げられます。